「課長職の管理監督者性について」 |
「管理監督者に該当するか、否か」この話は平成20年の日本マクドナルド事件で注目を集めました。名称が管理職というだけではなく、 ①職務内容・権限・責任を精査し経営に関する関与があるか ②労働時間に関する規制になじまない労働か ③待遇が管理監督者としてふさわしいか これらの観点から管理監督者であるか判断するといったものでした。 さて今回ご紹介するのは、平成28年3月に脳幹出血で亡くなった日産自動車課長の妻が夫の残業代支払いを求めて訴えた裁判です。結論を先に申し上げると、裁判所は当該課長を管理監督者に該当しないと判断し、残業代の支払いを命じました。 日産自動車の主張は、経営会議で提案する企画の立案、マーケティングプランの企画・提案の業務に従事し、通勤費を除いた年収も1000万を超え、出退勤についての自由も与えていた。これらの事から管理監督者であり、さらには旧労働省通達にも管理監督者としての根拠はあるとしていました。しかし、裁判所は出退勤の自由は管理監督者にふさわしいと認めつつも、「担当していた業務が経営の意思形成に与える影響度は間接的なもの」として管理監督者には該当しないと判断しました。「単に経営上の重要事項に関する企画立案業務を担当しているだけでは足りず、職務・責任が経営者と一体的な立場にあると評価できることが必要」というのが同社の主張を採用しなかった理由だそうですが、こうなってくると、管理監督者とはどのような職務・責任なのか。正直なところ、私たち中小・零細企業の現場では想像がつきにくいなと思いました。これもまた1つの事例として皆様に知っていただければと思い紹介させていただきました。 |
( 大 瀬 ) |
「無知の知」 |
「無知の知」という言葉をご存知でしょうか。 「無知の知」とは、「知らないことを自覚する」という意味のソクラテス哲学の基本の考え方です。 ソクラテスは賢人でしたが、他の賢人をもっと賢いと考えていたそうです。しかし、神からソクラテスが最も賢いと言われ、他の賢人に会いに行き、そこでソクラテスは他者に比べて自分が唯一優っている点を悟ります。それは、「自分がまだ何も知らないということを知っている」という点でした。それが「無知の知」です。 仕事においては、「知ったかぶりをせず、謙虚にもっと上を目指して学びましょう」という意味で使われることが多いです 。 確かに、経験とともに知識も増えていきます。 しかし、「知ったかぶり」をすると、新しい情報や違った角度からの捉え方などを知る機会を逃します。 私達の業界では、各種税法、毎年行われる税制改正や、それらの措置法、顧問先様の多岐に渡る業種の特性や、その他法律、労務関係など様々な分野について学ぶ必要がありますが、やはりその全てを網羅することは困難です。 お客様から相談を受けた際にすぐにお答えできない(しない)のも、まさに知らないことがあることを(あるかもしれないことを)知っているので、持ち帰らせていただき調べます。 無知の知。学ぶ努力をした上で、もっと知らないことがあることを自覚し、また学ぶ努力をする。 得た知識などは、活用し、また違う知識を得る。 謙虚に向上心を持ち続けたいと思います。 ちなみに、ソクラテスは約2,500年前に実在した人物であり、過去の偉人が残した考えが現代にも役立つなど、歴史から学べることの多さを改めて感じました。 |
( 岡 﨑 ) |
「改元に伴う源泉所得税の納付書の書き方」 | ||
改元から1ヶ月が過ぎようとしています。日々の業務の中で作成する書類で、平成と令和どちらの記載が正しいのか迷ってしまうケースがあると思います。特に税金の世界は、元号を使用する書類が多いので、書き方について迷うケースが多く出てくるのではないでしょうか。そこで今回は、会社で接する機会が多い源泉所得税の納付書の書き方についてご説明したいと思います。
~書き方のポイント~ ①令和元年5月1日以降も「平成」が印字された納付書は引き続き使用が可能である。 ※「令和」が印字された納付書は、10月以降に税務署で配布予定。 ②現在お持ちの納付書に印字されている「平成」の二重線による抹消や「令和」の追加記載などによる補正は不要である。 ③平成31年4月1日から令和2年3月末日の間に納付する場合は、納付書左上「年度欄」は「31」と記載する。 【毎月納付の場合】
上記は、原則的な例であり、令和表記「01」を平成表記「31」と記載しても有効なものとして取り扱うとされています。納付書の記載でご質問あれば、弊社担当者までご連絡下さい。 |
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( 瓦 ) |